眼科セミナー
今月から、毎月一回休診日の火曜日に、もうひとつのセミナーに出席しています。
“どうぶつ眼科セミナー“です。
一回目が今週の火曜日にありました。
6−7年ほど前にこの先生のどうぶつ眼科の基本セミナーを受けて、一から眼科学を教わりました。
開業前に2ヶ月ほどの短期間でしたが週に一度研修もさせていただきました。
今回は数年ぶりで久々のセミナーでしたので非常に楽しみにしていました。開催も当院休診日の火曜日ということで心置きなく出席できます。
今回は犬種別の疾患についての臨床的な情報を教わります。
第一回目はダックスフンド。
皆さん、ごぞんじでしょうか。ダックスという犬種は日本では最も人気のある犬種ですが、世界的にはどちらかというとレアな犬種なのです。したがって、犬種特有の病気の発生の仕方もいわゆる教科書的なものと、日本でみられるケースとはかなり違っています。
ダックスで、眼科に関する病気で有名なのは、”進行性網膜萎縮(PRA)“という失明に至る病気です。残念ながら今のところ治療法はなく、早期発見により進行抑制効果が期待できるサプリメントの投与などしか手の打ちようがありません。
早期発見には、普段の飼い主さんの観察がとても重要です。この病気は早いものでは生後半年ぐらいから少しずつ進行が始まります。
○うちの犬はおっちょこちょいで・・・
○散歩が嫌いなんです
○いつもすごくにおいを嗅ぎながら歩くんです
○いつも目がキラキラしてます
○暗いところは嫌いなんです
など、上記に一つでも当てはまる項目があるようなら一度ご相談ください。
本来犬は夜行性の動物ですので暗いところでも視力があるのが正常です。
(明るいところより暗いところに適した目の構造を持っています)
PRAは、1年以上かけてゆっくりと進行していくため、どうしても発見が遅れがちです。
しかも初めのうちは暗いところでのみ視力に影響を及ぼすので普段の生活でははっきりとした症状としては現れません。
ある調査では、上記に示したような行動の変化や性格的なもの、と思っていたのが実は病気のためだったというケースが60%もあったそうです。
当院では、暗い場所での行動チェックを行える診察室や、眼底の観察も行えますのできになる方はもちろん、ダックスフンドの飼い主さんは皆さん一度”アイチェック”を受けてみてください。